伝統工芸は特別なものと思われがちです。格式ばった場や限られた機会でしか触れられない存在だと。
しかし、私たちはそうは思いません。
伝統の美しさはもっと身近に、もっと私たちの日常に溶け込むべきだと思っています。
Maison Natsumeは、そんな思いから生まれました。
「Natsume」は茶道具で使われる棗からいただきました。
茶道には濃茶と薄茶が存在します。
私たちが良く知っている抹茶は薄茶です。
棗は薄茶用の抹茶を入れる漆器で、昔は濃茶用の陶器の茶入が高級品とされた中、棗はとてもカジュアルな存在でした。
格式を大切にしつつも、人々の日常に寄り添う道具だったのだと解釈しています。
棗のように、伝統を特別なものではなく、日々の生活の中で自然に楽しめる存在にしたいと願っています。
その想いを「Maison Natsume」という名前に託しました。
伝統のエッセンスを持ちながらも、現代の個性と寄り添う服――を形にしたい。
アイデアを形にすることは大変でした。
素材選び、パターンの設計、縫製の依頼……
デザイナーさんや縫製をしてくださる方々と一緒に、ひとつひとつの工程を進め、
初めて完成品を手にしたときの感動は、今でも忘れられません。
Maison Natsumeが目指すのは、服を通じて「今」を語ることです。
服は「今」を映し出すもの。
その「今」の中にさりげなく伝統を忍ばせたい。
伝統が“過去”や“特別なもの”ではなく、“今”に溶け込む瞬間を作り出したいと思っています。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
Maison Natsumeの服が、あなたの個性を引き立てる「新しい自分」を作る一助となり、
伝統が「あなたの日常」となるきっかけになればと思います。